ドゴン族　スプリングヘッドのカップル像　f_099

スプリング状の頭部を有する、非常に稀なドゴン族のカップル像です。ナイジェリア南部で見つかった「カラバの人物像」（calabar teracotta）に頭部が酷似しています。

原初的なドゴンのスタイルを受け継ぐ資料的な作品のひとつです。祖先から綿々と受け継がれてきたものが途絶えてしまったためか、いまではほとんど見ることができない造形となりました。

（ちなみにこうした頭部を有したドゴンの木像は少なく稀少で Christie's 等のオークションではかなりの高値で取引されています。）

目を凝らすと小さな子どもが背中にひっついています。背中に一生懸命へばりついているような姿がかわいらしいです。

抽象性の高いドゴンのカップルです。部族使用の痕跡が色濃く雰囲気のある木肌の質感となっております。

豊穣・豊作・安産のお祈りの対象としてホゴンと称する首長の家か祠のような場所（Binu shrine）に置かれていたものです。円形の台座部分にワレがありますが致命的なものではありません。

「カラバの人物像」（calabar teracotta）をはじめ、「ヴィレンドルフのヴィーナス」（Venus of Willendorf）や、初期の「ビバンダム」（Bibendum＝ミシュランマン）とも共通する点があり興味深いです。

ボリュームのある大きなサイズで異質な存在感を漂わせています。綿々と受け継がれてきたドゴン族の原初のイマジネーションを留めた作品です。

＜参考サイト＞
「ドゴン族」（Wikipedia）
「ドゴン族の神話」（Wikipedia）
「ヴィレンドルフのヴィーナス」（Wikipedia）
「ビバンダム」（http://labaq.com/）

●原産国
マリ共和国 Republique du Mali

●部族
ドゴン族 dogon

●材質
木

●おおよそのサイズ
高69.5 cm x 幅25.0 cm

●重さ
約 5,4 kg

●年代
-
●来歴
Ex. in situ
Ex. Gallery Collection