ドゴン族　白くて不気味な顔のモンキーマスク　m_105

おなじみのドゴン族から「幽玄さ」とでもいいたくなるような雰囲気が色濃く漂っているマスクをご紹介します。

おそらく20世紀初頭頃の作品です。フランスのケ・ブランリ美術館が所蔵するウサギのマスクとよく似通った意匠です。もしかすると同じ作り手（呪術師）によるものではないかと睨んでいます。

男性の割礼儀式やお葬式それに祖先の霊をまつる「ダマ」「シギ」といったお祭りに使用されてきたものです。

感情をあまり感じさせないロボットのような四角い目をしています。パッと見た感じホラー映画のジェイソンのようにみえたりして肝を冷やされます。

ドゴン族で受け継がれている祖先崇拝の伝統に基づいたスタイルです。この世とあの世を繋ぐ存在として活躍していた雰囲気がいまなお残っているようです。

頭におさるさんが座っています。抽象的なのになぜか生々しさのあるその表情も見逃せないポイントかと思います。

とても丁寧に作り込まれた繊細なシェイプのある特別な存在感を放つマスクです。儀式で使われてきたことを感じさせる木の味わいやキズがあります。

●原産国
マリ共和国 Mali

●部族
ドゴン族 Dogon

●サイズ
高 約55.0cm

●重さ
約1.2 kg

●製作年代
推測1910年-1960年頃

●来歴
Ex. in situ
Ex. Private Collection