チャド　鉄の貨幣　o_167

チャド共和国で使われていた古い貨幣です。アフリカで作られていた古い金属製の貨幣のなかでも抽象化の最高峰だと思っているコレクション品です。

「現代アート」「ジャコメッティの作品をプレスしたもの」と説明されたら思わず納得しそうな不思議な姿です。貨幣とはにわかに信じられない、奇異なオリジナル性をお楽しみいただけましたら幸いです。

紙幣や硬貨の流通以前のアフリカではビーズや貝・食塩・織物などが貨幣の役割をしてきたそうです。

こうした金属製の貨幣は武器や農具や装飾品から発展したものといわれており、道具からの発展だけに形のバリエーションもさまざまです。


武器が時間を経て変化した可能性が高いですが、それにしても元々が何なのかよく分からない形です。持ち歩くのも不便で使いづらそうで「貨幣として使う」ことを無視した用の美そっちのけの尖鋭的なデザインが好きす。

貨幣として使われていた当時の価値は牛1頭を買えるくらいだったのか、それともビスケット1枚なのかすこし気になります。

中央あたりに価値を表すと思われる押点があります。チャドでかつて流通していたとされる金属製の貨幣です。

＜追記＞カメルーンとチャドの国境にあるポドコ村で「gezai」と呼ばれ、持参金または物々交換の通貨として使われていたらしいです。

●原産国
チャド共和国 Republique du Tchad

●部族
-

●おおよそのサイズ
高49.0 cm x 幅12.5 cm

●素材
鉄製品

●年代
-

●来歴
Ex. in situ
Ex. private collection(nma)