レガ族　3面のマスク　m_125

コンゴ民主共和国・タンガニーカ湖の北西に住むレガ族のマスクです。トップに長老を据えて成人男性のみで構成される秘密結社＝ブワミ（Bwami）の儀式に使用されるものです。

エッシャーのだまし絵 かはたまた宝誌和尚立像ではないですがお顔が3つ重なり超越者然とした佇まいです。

こうしたマスクはブワミ結社内のランク（階級）を示す目印として重要な役割を果たします。ブワミは究極的にはブソガ（busoga;〈美 = 善〉）と呼ばれる境地に至ることを理想としているとされます。

また、ことわざを視覚化した文化を持つことでもレガは知られているようです。

「たとえば〈1本の指ではどんなに器用な者も土くれ一つ拾えない(結社員の団結)〉〈ヤマアラシはバナナを開墾地では食べない(守秘義務)〉〈雨期の間中，歌って過ごしたカメレオンは，サイチョウのナイフ(大きなくちばし)を持たない(勤勉性)〉等々。」

儀式の間にその場を囲む柵に掛けておくタイプがあったり、手で持ち顔の前にかざして使用するタイプもあったりと、レガ族には多種多様なマスクが存在します。

よく見られるレガのタイプとは異なるため重要な儀式に登場するものだろうと推測しています。

レガ族のオリジナルの表現が見受けられる雰囲気のあるマスクです。バランスよくまとまったお顔に白い顔料が施されています。一部青く塗られていた痕跡がございます。

＜参考サイト/参考文献＞
「レガ族」（wikipedia）
「レガ族とは」（コトバンク）
「文化人類学事典」（石川 栄吉/梅棹 忠夫/大林 太良/蒲生 正男/佐々木 高明/祖父江 孝男【編】/弘文堂）

●原産国
コンゴ民主共和国 R.D.Congo

●部族
レガ族 Lega

●本体のおおよそのサイズ
高 26.0 cm× 幅 18.5 cm × 厚 7.5 cm

●年代
-

●素材
木、顔料

●来歴
Ex. in situ
Ex. gallery collection（de）