バマナ族　ントモのマスク　m_124

マリ共和国のバマナ族から「ントモ」（N'tomo）と呼ばれるマスクをご紹介します。

ントモはバマナ族の古代からの信仰対象である神（豊穣の神、水の神）、及び精霊を指す名前だといわれています。

収穫祭や秘密結社における成人の通過儀礼といった特殊なイニシエーションに限定的に登場するようです。部族の秘密結社が子どもや女子たちに見つからないようこっそり所有していたものです。

ントモの特徴のひとつである角のようなものが5本生えていてその先端に馬の毛が取り付けられています。鼻は高くて直線的で穴が2つあります。かつては鼻毛のように動物の毛が飛び出していたようですがいまはさっぱりしています。

左右の耳の配置にズレがあり表情と相まって妙なテンポを感じさせるマスクです。素朴でシンプルですが全体的に立体的で丸みを持ったフォルムでチャーミングです。

余談ですがこの柔和なお顔、誰かに似ているようで思い出せずにいましたが、春の風にそよそよした花の香りが鼻腔を通ったら、上野の博物館にいたお釈迦さまだったような気がしてきました。

ントモが憑依したかつての痕跡がいまだに残っているような雰囲気のある佇まいです。長年煙でいぶされたような渋い木の質感です。

1950年より以前に作られて儀式に使用されてきたオリジナルのマスクです。角のようなものの先端に取り付けられた馬の毛には汚れ等がないため、取り付けられてすぐに現地から持ち帰られたものだと思います。

●原産国
マリ Republique du Mali
ギニア Republique de Guinee

●部族
バマナ族 Bamana
もしくは
マリンケ族 Malinke

●本体のおおよそのサイズ
Height 48.0 cm× Width 21.0 cm × Length 15.0 cm
＊専用スタンドが付属します。

●年代
1950年以前

●素材
木、馬の毛、植物繊維

●来歴
Ex. in situ
Ex. Bart family collection（private）
Ex. Helmuth Stone Gallery(us)

●スタンド
オーダースタンド付属