セヌフォ族　神聖な鳥が乗ったKpelieマスク　m_020

セヌフォ族から、人と鳥を組み合わせたマスクを紹介します。「Kpelie」と呼ばれるもので、部族の伝統を踏まえた繊細な彫りが特徴的なマスクです。

Kpelieは女性の美しさを表し、出産や多産（豊饒）、豊作などを呼び込むものといわれています。サイチョウ鳥と人間の顔がひとつに重なり合った、目を引く造形をしたものです。

ちなみに、セヌフォ族ではサイチョウは神聖なもののシンボルとされているようです。サイチョウをモチーフにした「カラオ」と呼ばれるは巨大な鳥の彫像はことさら象徴的な役割をはたしています。それは神聖な森に安置され、セヌフォ族の「ポロ」（Poro）と呼ばれる男子秘密結社の加入儀礼で成人となる少年たちに秘儀を教える重要な鳥とされます。（「kankan press」、その他参照）

他のアフリカマスクに比べて顔部分の作りが小さいため、着用者の身体全体を覆う衣装に接合して装着するのが通例となっています。ひたいの割れ目のようなものは、部族の原点となる世界と現世をつなぐ意味を持つとされ、また、下頬から延びる2つのヒゲのようなものは、大地と精神をつなぐ "足"を表現していると言われています。

死者（先祖）の世界との交流、豊作を祈る（感謝する）お祭りなどにも使用されます。

大胆に頭上に乗った鳥のお腹がぽっこりとかわいかったり細部を眺めても楽しいです。あまりどぎつすぎない彩色で、わりと小さめなマスクですのでインテリアとしても良いかと思います。

経年によるダメージも少なく良い状態です。セヌフォ族の伝統をいまに伝える貴重なマスクです。

●原産国
コートジボワール Cote d'Ivoire

●部族
セヌフォ族 Senufo

●サイズ
縦　約35cm×横　約15cm

●製作年代
1970年頃