サカラヴァ族 鳥の墓標 f_123
サカラヴァ族 鳥の墓標 f_123
マダガスカル北西から南西部にかけて居住するサカラヴァ族の墓標「アロアロ」のてっぺん部分です。
「長い渓谷に住む人々」という意味を持っているサカラヴァ族は乾燥した風土に生きる半遊牧民です。内陸部では牛の牧畜をして海岸部では魚をとり暮らしています。16世紀ごろには王国を築いて繁栄していましたがやがて中央高地のメリナ王国に押されて衰退していきました。
メリナやベツィレウといった中央高地の部族のように死者を埋め戻す(墓から遺骨を取りだし弔いなおす)という文化を持たず、「フィタンポハ」(Fitampoha)といった伝統的な儀式を通じて先祖とコミュニケーションを取り合っているとされます。
サカラヴァでは故人の魂はさまざまな動物を魂の器として使用すると考えられています。ゼブ(コブウシ)や鳥(トキ)といった代表的なモチーフの他、コブガモ、ワニ、カメレオンが神聖とされてアロアロに象徴的に取り入れられています。
丸っこく風化したボディとは対比的に、足はギザギザと記号っぽくてロボットのようです。
おまけに地衣類の付着跡もあって見どころのある佇まいとなっています。
代々伝統的な技術を受け継いだ職人がこうした墓標=アロアロを生み出しています。
こちらのアロアロは1940年頃にマンダーブ地方で見つかったものなので、実際にはもっと以前に作られたものだと思います。
とあるマダガスカルの職人は「わしの父は、ウシ1頭とひきかえに彫刻を作って暮らしてきた。わしの彫刻は、海外でも高く評価されているので、ウシ1頭よりも高いよ。」(「墓標を刻む」国立民族博物館アーカイブより)と自慢気に語っています。
1896年にフランスが植民地化したことでアロアロが「発見」され、一部のマニアが価値のあるものとして取引するようになりました。そしていまでは盗難されるという事態が起きてしまっています。
土に還ったり、盗難されたりと、さまざまな要因が重なり手に入りづらいものとなっています。
広葉樹の Hazomalanga という1本の木から彫り出されています。表面には風化があり、地衣類が生い茂っていた痕跡があります。
マダガスカルの独自の気候にさらされて人為的に作り出せないテクスチャとフォルムとなった鳥の像です。
サカラヴァ族の古いアロアロの一部です。風雨による浸食、地衣類の付着痕跡、その他、ワレ・欠け・汚れ等のダメージがあります。
<参考サイト>
サカラヴァ人 - Wikipedia
FITAMPOHA - vimeo.com
メリナ人 - Wikipedia
ベツィレウ人 - Wikipedia
墓標を刻む - 国立民族博物館アーカイブ
Aloalo - Wikipedia
Burial - Madagascar - australianmuseum.net.au
Aloalo, Mahafaly Sculptures Of The Efiaimbelos - artmap.com
South-Western Madagascar - PDFが開きます sulama.de
●原産国
マダガスカル南西部 Southern Madagascar
マンダーブ地方 Mandabe
●部族
サカラヴァ Sakalava
●本体のおおよそのサイズ
h24.0 x 10.0 x 10.0 cm
スタンドを含めた高さ 約32.0cm
●重さ
約620 g
●材質
木(Hazomalanga)、地衣類の付着痕跡
●推定年代
1940年以前
●スタンド
簡易的スタンド付
●来歴
EX. in situ.
EX. gallery collection(de)
【重要】
*こちらの墓標には簡易的なスタンドが付属します。
*サカラヴァ族の古いアロアロの一部です。風雨による浸食、地衣類の付着痕跡、その他、ワレ・欠け・汚れ等のダメージがあります。
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